今回は、パソコンスキルの資格や検定に関して思うところを書いてみようと思う。
パソコンスキル、とりわけMicrosoft Officeに係る資格や検定としてまず挙げられるのが、MOS(Microsoft Office Specialist)である。MOSはMicrosoft社が認定するMicrosoft Officeの国際資格だ。国際資格なので日本で取得
すれば、他国においてもMOS取得者として認められる。MOSのほかにも日本商工会議所が認定している日商PC検定や
サーティファイ社が認定する技能認定試験などもある。
さて、ここでなぜ人は資格取得を目指すのか?について考えてみよう。
「就職や転職で有利だから」というのが最も多い理由だろうか。実際当校に来られる生徒さんでMOSを取りたいという方はこの理由が多い印象である。他には、「勤め先で取得するように言われた」「会社や学校で加点の対象になる」といった理由も聞かれる。このような理由はなく、「資格マニア」なんて方もいるかもしれない。
資格を取得することにより、果たして本当に「就職や転職で有利」になるか?この答えはおおむね「YES」で良いだろう。
これは、会社の人事採用担当者の立場になって考えてみるとよくわかる。履歴書の資格欄に「MOS」と書いてある志願者と
面接したとき、この担当者は志願者に対してどのような印象を持つだろうか。
まず、「パソコンができるんだ」という印象は最初に持つだろう。でもそれだけではない。―これは資格全般に言えることだが―資格を取得するということは、まず資格取得を志して目標を設定し、その目標に向かって努力・研鑽を重ね、なおかつ試験
合格というゴールに到達した、ということを意味する。この一連のプロセスを経験している、ということは資格の難易度に
違いはあっても、価値あるものであることは確かではないだろうか。採用担当者によっては「この人なら、お願いした仕事を
きちんとやってくれるのではないか」というポジティブな印象を持つかもしれない。ネガティブな印象を持つ人は皆無だろう。採用担当者が履歴書の資格欄に「MOS」と書いてある志願者と、資格欄が空白の志願者でどちらかを採用することになった場合、結果は言うまでもない。
しかし、ここで資格取得を目指す方にもう一つ伝えておきたいことがある。それは―これも資格全般に言えることだが―
資格は取ってからがスタートであり、真価が問われるのはその後である、ということである。言い換えれば、いくら資格を
持っていても「実務」で使えなければ意味がない。資格マニアなら別だが、就職や転職を見据えて資格取得を目指すので
あれば、この部分を常に意識しながら学習を進めるべきである。資格取得「だけが」目的にならないよう、試験対策と並行して日ごろからMicrosoft Officeを使った資料作成を行ったり、実務的な課題集に取り組むといったことが必要である。
採用担当者は「パソコン“を使った実務”ができるんだ」という期待感を持って採用する、ということを肝に銘じたい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。資格取得を目指すみなさまが目標を達成され、さらにその資格を生かしてご活躍されるよう、お祈りしています。